各種健康相談・健康診断について

健診・予防接種

健康診断とは

健康の保持や、生活習慣病をはじめとする疾病の予防・早期発見に役立てることを目的として、診察および各種の検査を通じて健康状態を評価するのが健康診断です。

会社や学校などで健康診断が必要という方は、ご相談ください。

当院は、平成20年度より法律で定められた「特定健康診査(特定健診)」をはじめ、適宜「自費健診」も行っています。

自費健診について

健康診断を目的として検査を受ける場合(何かしらの症状が無い時)は、健康保険は適用されませんので「自費」となります。ただし、検査項目は自分で選択することは可能となります。

なお、自費健診の結果、何らかの病気が発見された場合については、それ以降その病気の診療には健康保険が適用されます。

予防接種とは

予防接種は、個人の感染症の予防や、感染症を社会全体に流行しないように食い止める目的で行われます。
予防接種に用いられるワクチンは、感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、それらを無毒化したりしてつくられるものです。これを体内に注入することで、抗体(病原体と結合し、それを体内から除去するように働くたんぱく分子)を作らせ、特定の病気に対して感染しにくい状態にするほか、万一その病気にかかったとしても症状が軽く済むようになります。

また予防接種には、法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」の2種類があります。
接種費用は、定期接種は公費(一部で自己負担あり)ですが、任意接種は自己負担となります。

当院では、成人予防接種(定期接種および任意接種)をお受けできるよう、対応しております。
なお、ワクチン準備の必要がありますので、接種をご希望される方は事前にご相談ください。

定期接種

インフルエンザワクチン

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。同ウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経た後に発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて風邪の症状と同じように、喉の痛み、鼻水、せきなどの症状もみられます。小児の患者では、痙攣(けいれん)や中耳炎、まれに急性脳症の症状も現れます。また高齢者や基礎疾患をお持ちの方では肺炎を併発するなど、重症化する可能性もあるので注意が必要です。

このようなインフルエンザを予防する対策として、流行前のワクチン接種があります。なお、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変える特徴があるので、異なるタイプが流行します。それに対抗しうるためにも、予防接種は毎年行うようにしてください。

インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまでに2週間ほどかかりますが、その効果は約5ヵ月間持続します。日本であれば、例年12月~翌3月頃にインフルエンザが流行しますので、接種時期としては毎年12月中旬頃までに行うのが望ましいと思われます。

肺炎球菌ワクチン

大人の肺炎の原因菌で最も多いのは、肺炎球菌とされ、20~40%がこの菌が原因と言われています。肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化を防ぎます。

また、インフルエンザで起こる肺炎の60%程度は肺炎球菌によるものと考えられています。そのため、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併せて接種することが推奨されています。

なお高齢者を対象とした定期予防接種の対象は、65歳以上で過去に接種歴のない方、または60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器または免疫の機能障害などにより、身体障害者手帳1級相当の方(過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方は除く)となります。

※肺炎球菌ワクチンはすべての肺炎を予防できるわけではありませんので、接種をしたといっても、うがい・手洗い・口腔衛生など日常生活上の予防対策は心がけましょう。

※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがあります。再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けるようにしてください。

任意接種

A型肝炎

A型肝炎は食べ物を介して起こる感染症です。日本では生活環境の整備により、感染者は減少していますが、世界中で広く流行があり、海外で生活される方は接種をおすすめします。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染によって起こる感染症で、感染経路は体液(主に血液)です。唾液や涙でも感染することがあります。海外での衛生状態の悪い医療で感染することもあります。日本では2016年(平成28年)から1歳未満の乳児に定期接種になりました。
成人の方も仕事等でケガのリスクが高い方や、医療関係者、家族がB型肝炎ウイルス抗原陽性(キャリア)の方、海外長期滞在の方には接種をおすすめします。

MR(麻しん・風しん混合)ワクチン

麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる感染症です。感染力が非常に強く、感染後10-12日の潜伏期間の後、発熱・せき・鼻水・目やに・赤い発疹などの症状を来します。気管支炎や肺炎、中耳炎、脳炎を合併することがあります。
風しんは、風しんウイルスによって起こる感染症です。感染後14-21日の潜伏期間の後、麻しんより淡い赤い発疹、発熱、リンパ節腫脹とった症状が現れます。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。
妊婦が妊娠早期に風しんに感染すると、先天性風疹症候群とよばれる病気により、心臓病・白内障・聴力障害といった障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。
MRワクチンの接種は、2回(1歳以降2歳未満、小学校入学前)接種し、定期接種になります。ただし、風しんに関しては、接種機会のなかった1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性は、2022年3月末まで定期接種の対象となります。
妊娠を希望される女性や妊婦、その周りの方は抗体検査を行い、抗体の低いものの接種をおすすめします。杉並区では、2014年から、先天性風疹症候群の対策として、風しん抗体検査と予防接種費用の助成がございます。

帯状疱疹

水痘(水ぼうそう)に罹ったことのある方は、体調不良などで免疫が弱ってしまった際に、帯状疱疹を発症することがあります。50歳を過ぎてから帯状疱疹を発症すると、皮疹が治っても神経痛が残りやすいこともあるため、予防としてワクチン接種をおすすめします。

おたふく

一般的におたふく風邪といわれる、ムンプスウィルスによって発症する感染症です。
両側の唾液腺が強く腫れるといる特徴があります。1週間程で治ることが多いものの、髄膜炎になり重症化する方、難聴などの後遺症をきたす方がいます。

予防接種後の注意点について

予防接種終了後30分程度は、体調の変化に注意しましょう。
接種部位に異常な反応が現れたり、体調に変化が生じた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

また、接種部位は清潔を保ち、接種後24時間以内は過激な運動や、過ぎた飲酒は控えるようにしましょう。